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概要

原子力発電所の運転期間は、福島第一原発の事故後に導入された「40年ルール」により原則40年までで、原子力規制委員会が認めれば、1度に限り最大20年の運転延長が認められます。
来年11月で運転開始から40年となる東海第二原発(茨城県・東海村)について、日本原子力発電は2017年11月24日、運転期間の20年延長を原子力規制委員会に申請しました。
東海第二原発は福島第一原発と同じ「沸騰水型」タイプの原発で、このタイプの原発が運転期間の延長を申請するのは初めてです。

賛否両論

反対派の主張

  • 「40年ルール」を厳格に適用し廃炉にすべき

賛成派の主張

  • 再稼働できれば電力の安定供給につながる

新聞社の主な意見

朝日「廃炉が避けられない」(2017年11月24日社説)

脱原発を主張する朝日新聞は、東海第二原発の廃炉を訴えています。

原電と主要株主の大手電力、経済産業省は、東海第二の運転を前提とせず、原電のあり方を抜本的に練り直すべきだ

原電については、原発の廃炉などで業界再編の受け皿になる構想もある。問題を先送りせず、将来像作りを急ぐべきだ

読売「再稼働には総合的判断が要る」(2017年11月25日社説)

原発を活用するスタンスの読売新聞は、運転期間を延長し再稼働することへの期待がにじみますが、「難題が山積みだ」と指摘しています。

原発再稼働に伴う膨大なコスト負担の在り方について、政府も真剣に検討すべきではないか

最終的な判断に際しては、原発の必要性やリスクに関する冷静な議論が不可欠である

産経「この40年超えが正念場だ」(2017年11月25日社説)

原発を活用するスタンスの産経新聞は、運転期間の延長が「望ましい」とし、日本原電が厳しい経営状況にある責任の一端は規制委員会にもあると指摘しています。

原発の新規立地は当面、期待できない。この現状を踏まえると40年を迎える原発の運転延長審査の合理的な進行による合格が、電力の安定供給面からも望ましい

今回の審査で規制委は、原電に経理的基礎の明示を求める。追加の安全対策工事には、約1800億円が必要だが、その工面ができるのかを問うというのだ。原電は原発以外の発電設備を持たないので他電力より厳しい経営状況となっていることによる要求だ。だが、この窮状は何によるものか。電源車の配備などを条件として稼働を認め、安全審査を並行していれば、原電や各電力会社は料金値上げもなく強固な安全対策を採れていたはずだ。この際、規制委に自問自答を求めたい

ポイント

日本原子力発電は保有するすべての原発が停止している中で、東海第二原発の再稼働を目指し運転延長の申請をしました。ただ、仮に運転延長が認められたとしても、安全対策工事に必要な約1800億の費用をいかに捻出するのかも大きな課題です。また、再稼働に必要な地元自治体の同意を得られる見通しも立っていません。
運転開始から40年にあたる来年11月末までに規制委員会の認可を得られなければ、東海第二原発は廃炉となります。東海第二原発の運転延長の可否には日本原電の経営の存続がかかっており、日本原電自身はもちろん、日本原電の経営を支えている電力業界も難しい判断を迫られます。