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賛否両論

反対派の主張

  • 過去の政府解釈と論理的整合性がない「解釈改憲」で、立憲主義に反する。憲法改正の厳格な手続きが必要
  • 憲法学者や元法制局長官に加え、元最高裁長官も批判している。違憲の疑いが極めて強い
  • 幅広い理解が広がらないままの強行採決に反対
  • 集団的自衛権行使の3要件はあいまい。時の政権の裁量の余地が大きく、歯止めがきかない
  • 戦後日本の「平和主義」方針からの逸脱である。「専守防衛」が変質する
  • 紛争回避のための外交努力をまず尽くすべき
  • 米軍を守るべき状況でも、個別的自衛権と日米安保で対応できる
  • アメリカの戦争に巻き込まれる恐れが高まる
  • 活動の幅が拡大し自衛隊員のリスクが高まる。テロに対して抑止は意味をなさない
  • 「徴兵制」も憲法解釈の変更で合憲となるのではないかという不安
  • 日本の石油備蓄は約6カ月分あり、ホルムズ海峡の機雷封鎖で日本の存立が脅かされるとは考えにくい
  • どんな事例で集団的自衛権を行使するのかもっと明確に説明すべき

賛成派の主張

  • 従来の見解とも一定の整合性を維持した合理的な範囲内の解釈変更で、立憲主義に反していない
  • 憲法学者ら主張は現実と乖離している。PKOも当時は反対論が多かったが、その後理解し支持されている
  • 審議が尽くされた法案を採決するのは民主主義の基本
  • 3要件は厳格な歯止め。想定外の事態に柔軟に対応できるよう、政府に一定の裁量権が必要
  • 「積極的平和主義」の具体化には不可欠。専守防衛の原則は堅持されている
  • 平和外交と並行して防衛体制も強化すべき
  • 個別的自衛権の拡大解釈は国際法違反の恐れがある
  • 安保環境が悪化するなか、日米同盟の抑止力の強化が必要
  • 抑止力の向上により武力衝突は起きにくくなる。日本全体のリスクは下がる
  • 徴兵制が憲法に反するのは明確で、あまりに論理が飛躍。徴兵制は時代錯誤
  • エネルギー確保は日本の生命線。万一の場合に備えて選択肢を確保しておくことが大切
  • 実際の個別具体的状況に即して判断するものであり、詳細な説明は難しい

ざっくり読む

「集団的自衛権」とは、自国と密接な国が武力攻撃された際に、自国が攻撃されていなくとも実力をもって阻止する権利のことをいいます。日本にあてはめれば、同盟国アメリカが攻撃された場合に、日本が攻撃されていなくとも反撃する権利を意味します。

国連憲章によって各国の固有の権利として認められていますが、日本は憲法9条の制約によって行使できない、という立場をとってきました。

安倍政権は、北朝鮮の挑発行為や中国の海洋進出など安全保障環境が厳しさを増すなか、従来の憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を行使できるようにすることを目指してきました。

そして2014年7月1日、「新3要件」のもとで集団的自衛権の行使を認める閣議決定を行いました。この新たな方針に沿って整備された新たな法案は、2015年5月14日に閣議決定されます。(※閣議決定:すべての大臣が合意して政府の意思を決定する手続き)

国会における法案の審議では、野党が激しく反発。国会で憲法学者が法案は違憲であると批判したことなども背景に、報道各社の世論調査をみても、法案に対する国民の理解は決して広がりませんでした。

しかし、政府は法案の審議は十分尽くされたと判断。2015年7月15・16日に委員会および本会議で採決し、法案は衆議院を通過しました。(※法案はまず委員会という場で議論され、そこを通過したのち本会議で議論されます)

舞台が参議院にうつった後も法案をめぐる大きな対立構図は変化せず、主要野党や国会周辺に集まるデモが強い反発の声を上げるなか、2015年9月17日に委員会で、19日には本会議で法案は採決され、可決・成立しました。安保関連法が施行され現実に効力を持つのは来年3月となる見通しです。

Q&A

「集団的自衛権」とか「集団安全保障」って何?
  • 「個別的自衛権」とは、自国が攻撃された時に自衛のために武力行使する権利。
  • 「集団的自衛権」とは、同盟国が攻撃された時に一緒になって反撃する権利。
  • 「集団安全保障」とは、侵略行為をした国を諸外国が団結して制裁を加える体制。

→もっと読む 用語解説:「集団的自衛権」と「集団安全保障」

国連憲章で認められてる権利なら、どうして議論になってるの?

日本は、国連憲章に明記されている集団的自衛権を持っているものの、憲法9条の制約によって行使できない、という立場に至っていました。
しかし、中国の台頭や北朝鮮の挑発行動など安全保障環境が悪化するなか、日米同盟の抑止力を高めるためには集団的自衛権の行使容認が必要だとして、安倍政権は憲法9条の解釈を見直すことを目指しました。

→もっと読む 集団的自衛権をめぐる憲法9条の解釈の変遷

 

憲法の解釈を変える、というやり方はアリなの?

これまでに憲法解釈を変えた事例はあり、絶対に許されないとも言えませんが、「国の最高法規」である憲法の解釈を変えるのは望ましいことではありません。解釈変更が妥当かどうか、個別具体的に慎重な判断を要するものです。
いま議論となっている、集団的自衛権の行使を可能にする解釈変更について、賛成派は、時代の変化に伴い許される範囲内の解釈変更であり妥当だと主張し、反対派は、解釈で変更できる範囲を逸脱している「解釈改憲」だと批判しています。

→もっと読む 憲法の解釈変更は許されるのか、過去に事例はあるのか

「安保法制懇」ってなに?

安倍首相が私的に設置した有識者の集まりで、法的根拠はありません。第1次安倍内閣の時に設置され、2008年に報告書を提出。第2次安倍内閣で議論を再開し、新たな報告書を提出しました。
憲法解釈の変更で集団的自衛権を行使できるようにすべき、などと提言しています。

→もっと読む 安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」と報告書の内容

自民党内には反対論はなかったの?

自民党内部には、集団的自衛権の行使容認という「中身」ではなく、憲法解釈の変更という「やり方」への反発がありました。憲法の条文を改正する手続きを経るべきだという主張です。
しかし、高村氏の主張する「限定容認論」が党内で広く支持を得ます。従来の政府解釈との整合性を図った考え方で、党内の反発は沈静化しました。

→もっと読む 自民党内の支持を得た高村氏「限定容認論」

自民・公明の与党協議はどんな風にまとまったの?

自民党が「限定容認論」で集団的自衛権の行使容認を目指したのに対し、公明党は「個別的自衛権や警察権で対応可能」と慎重な立場でした。
そんな中、「1972年の政府解釈」が論理的根拠として浮上。文言の修正を経て、与党協議はまとまりました。

→もっと読む 「1972年の政府解釈」をベースにまとまった与党協議

具体的にはどんな事例が議論されたの?

集団的自衛権の行使容認を訴える安倍首相が会見で強調したのは、日本人を乗せたアメリカ艦船が攻撃された時に自衛隊が反撃する事例でした。この事例が、最も国民の理解を得やすいと判断したものとみられます。
与党協議の議論で示された事例のうち、集団的自衛権に関するものは8つです。

→もっと読む 集団的自衛権をめぐり議論された具体的事例とは

集団的自衛権の行使を容認した閣議決定はどんな内容?

2014年7月1日の閣議決定では、新たに示された3つの要件を満たした場合、「自衛の措置」として「武力の行使」ができるとしました。
「集団的自衛権」については、行使に明確に道を開き、「集団安全保障」については、言及はないものの否定していません。
この新たな方針の下で関連法が整備されていくことになりました。

→もっと読む 集団的自衛権を行使できる「新3要件」を示した閣議決定

「戦争法案」とか「平和安全法制」といわれる法案、どんな内容?

集団的自衛権の行使に道を開いた2014年7月の閣議決定に基づき、新たに作られた安全保障法案が2015年5月14日に閣議決定されました。
「戦争法案」とも批判される一方、政府が「平和安全法制」と名付けたこの法案は、既にある10本の法律の改正を束ねた「平和安全法制整備法」と、他国軍の後方支援をいつでも可能にする「国際平和支援法」の2つからなり、
自衛隊の活動の幅を大きく広げる内容になっています。

→もっと読む 新たな安全保障法制(2015年5月14日に閣議決定)の概要

集団的自衛権行使の具体例としての「ホルムズ海峡の機雷除去」ってなに?

「ホルムズ海峡」は、中東のイランとオマーンにはさまれた海峡で、日本が輸入する原油の8割がここを通過します。
ここに機雷(海の地雷)がまかれて通行できなくなる=封鎖されると、エネルギー調達に支障をきたすため、日本の存立が脅かされ、集団的自衛権の行使が想定しうると政府は説明しています。
しかし、国内に半年分の石油備蓄があることなどから、「存立が脅かされる」とまではいえない、などの批判があります。
その後、核開発問題をめぐるイランと欧米諸国の対立が緩和したため、この事例は一気に現実味を失い、政府も「想定していない」と答弁を変えました。

→もっと読む 「ホルムズ海峡の機雷封鎖」は日本の「存立が脅かされる」事態?

法案について、憲法学者が「違憲」と国会で批判したって?

「平和安全法制」を審議している特別委員会とは無関係の「憲法審査会」という所で、与党が推薦した学者を含む3人の学者全員が、「平和安全法制」が違憲であるとの認識を示したのです。
野党は「法案は違憲の疑いが極めて強い」などと批判の勢いを強めました。
政府与党は、憲法解釈の最高権威は憲法学者ではなく最高裁判所であるとして、最高裁が「固有の自衛権」を認めた「砂川事件判決」を根拠に反論します。

→もっと読む 憲法審査会での憲法学者「違憲」発言で勢いづいた反対論

「60日ルール」で成立確実って?実際には?

法案は2015年7月16日に衆議院を通過し、議論の場は参議院に移りました。
憲法59条(いわゆる60日ルール)によって、参院が衆院から法案を受け取ってから60日が経っても結論を出せない場合に衆院で法案を再可決させることもできるので、「平和安全法制」が今の国会で成立する見通しとなりました。
しかし参院の存在意義を損なうことにもなるこのルールはは結局は使われず、参院は9月17日に委員会で、19日で法案を採決、可決。野党やデモ等が強く反発する中、法案は成立しました。

→もっと読む 「戦後最大の会期延長」と「60日ルール」

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